おそらく変な顔をしていたのだろう、高校三年生のあるとき、大好きだった彼女から「今、何考えてた?」と問われた。この一世一代の大勝負に、正直に「世界平和」と答えたことを覚えている。ラジオを聴いてもらえれば、この発言が本気だったとわかる……はず。嘘でしょ、何言ってんのー、って少しばかにされた私は、負けたことを悟った。
誰もが幸せになることを本気で願っているから、私はずっと、大小を問わず平和の邪魔をするものに怒っているのだと思う。道徳の授業で教わることが、制限速度のように、守られない現実に。陰口にも、いじめにも、国家にも、同じように腹を立ててきた。
「変革は人々の楽しいから始まる」という”真理”に、最近気づいてしまった。私が楽しいで変わったから。楽しいは、気持ちいいとは違って、心を満たすものだ。だから、楽しいおしゃべりをすることを、心がけるようになった。つまりは変革を目指しているのであり、ラジオがその第一歩になればいいと、そんな大層なことを考えて始めたわけではないが、今ではそう思う。